■わずかながらも見いだされた光明

 前半においても、ファビーニョは要所で強い守備力を発揮していたが、チアゴとワイナルドゥムとの連携が噛み合わないこともあった。たしかに前半の終了間際にジョタのゴールで先制したが、チームとして引き締まった守備組織を構築できず、フィットしてきたカバクは奮戦したが、ウルヴスの快速アタッカーのアダマ・トラオレを捕まえ切れたわけではない。基本的に相手が引いてきたこともあったが、カウンタープレスはさほど機能せず、ウルヴスにもチャンスを作られている。

 そのため、リーグ戦の連敗を止めたからと言って、決して手放しで喜べるわけではない。再び悪夢の中に引きずる込まれる可能性もある。依然として怪我人は多く、チームは万全の状態ではない。

 しかし、ファビーニョが本来のアンカーのポジションに戻ったことで、たとえわずかであっても、光明が差したことに違いはない。自らのゴールで勝利をもたらしたジョタも、ロベルト・フィルミーノに代わって入ったセンターFWのポジションで輝いた。

 コロナ禍でアンフィールドに駆け付けられず、耐えがたきを耐えてきたファンの多くが、このウルヴス戦の結果に希望を見出したとして、何ら不思議ではない。

■結果

ウルヴァーハンプトン 0-1 リバプール

■得点

45+2分 ディオゴ・ジョタ(リバプール)

 

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