■2人のベテランの加入でセンターラインが安定

 2人のベテラン、それはDF千葉和彦とFW鈴木だ。

 11年以来の新潟復帰となった35歳のセンターバックは、最終ライン中央でコンビを組む舞行龍ジェームズとともに、ビルドアップに幅をもたらしている。昨シーズンのレギュラーだったアルゼンチン人マウロとの違いは、パスを受けたあとのアクションにある。

 マウロはシンプルにボールをさばくことが多かったが、千葉は自らタテへ持ち出したり横へ運んだりしたりする。それによって、パスの受け手に余裕を与えることができている。次の局面がスムーズに展開されていくことが、昨シーズンよりも増えているのだ。また、中長距離のパスで展開を変えることもできている。

 鈴木は前線で起点になる。周囲と連動しながら自ら決定的な場面に現われ、得点機を拡げることもできる。FC琉球在籍時の19年に27試合出場で15得点をあげた31歳も、21年モデルの新潟に欠かせない。ふたりのベテランの加入で、センターラインの安定感が高まった。

 第1節で昨シーズン5位の北九州、第2節で同3位の長崎と対戦するスケジュールは、つまずきを招きかねないものでもあったはずだ。しかし、今節の山口戦を含めて、白星を3つ並べることができた。アルベルト監督の新潟、視界良好である。

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