■新潟が8シーズンぶりの開幕3連勝
アルビレックス新潟が好スタートを切った。
3月13、14日開催のJ2リーグで、新潟はレノファ山口とのアウェイゲームに挑んだ。
背番号10を着ける本間至恩を前節の退場処分で欠くが、13分に連動したプレスから相手ペナルティエリア付近でボールを奪う。1トップの鈴木孝司と2列目右サイドのロメロ・フランクが、ボール保持者に圧力をかける。相手のパスが乱れたところを、トップ下の高木善朗が見逃さずに奪いきる。
スライディングでつながれたパスを、ボランチの島田譲が2列目左サイドの星雄次につなぐ。本間に代わって先発した背番号19・星は、GKとの1対1を冷静に制して右足で流し込んだ。J1の大分トリニータから完全移籍で加入した28歳は、加入後初先発でアルベルト監督の期待に応えてみせた。
38分にも右サイドを起点に追加点を奪う。右サイドバックの藤原奏哉がロメロ・フランクへつなぎ、ペナルティエリア内正面の高木へパスがつながる。山口の高木大輔との兄弟対決も注目された3歳年上の兄は、右足で冷静にネットを揺らしたのだった。これで高木善は2得点2アシストと、好調なチームのエンジンになっている。
ホームの山口が反撃を仕掛けてきた後半は、相手にボールを握られる時間帯が長くなった。90+3分には失点を喫したが、2対1で終了のホイッスルを聞いたのだった。
開幕節でギラヴァンツ北九州を、第2節でV・ファーレン長崎を下していた新潟は、1999年以来22年ぶりの開幕3連勝となった。とはいえ、2004年から17年まではJ1で戦っていたのだから、「J2で8シーズンぶりの開幕3連勝」という表現が正確だろう。
いずれにしても、アルベルト体制2年目のチームは確かな成長を遂げている。スペイン人指揮官は就任1年目の昨シーズン、自分たちで主導権を握るサッカーを一貫して求めてきた。目先の勝利を追いかけることなく戦ったことで、土台を築くことができた。
そのうえで、新加入選手がチームにフィットしている。先制点をあげた星や、ギラヴァンツ北九州から加入した右サイドバックの藤原だけでなく、2人の経験者の存在が大きい。