【ブンデスリーガ ボルシア・ドルトムントvsヘルタ・ベルリン 2021年3月13日(日本時間26:30キックオフ)】
首位を走るバイエルン・ミュンヘンとは、すでに勝ち点16の差が開いている。ルシアン・ファブル監督は、すでに昨年12月に解任されている。バイエルン1強体制を打破する立場には、もはやない。だが、そんなことなどどうでもいいと思えるほど、ドルトムントの若手の輝きがまばゆい。
アーリング・ハーランドは、20歳にしてサッカーの世界の主役である。夏の移籍市場を待つまでもなく、クリスティアーノ・ロナウドもリオネル・メッシも姿を消した今季のチャンピオンズリーグで、注目度はさらに増していくことだろう。
ヘルタ・ベルリンも、その危険度は重々承知している。だからこそ、1部リーグ残留争いに巻き込まれているチームは、ハーランドを消しにかかった。
深く敷いた5バックの前では、3人のMFにバイタルエリアを埋めさせる。ボールを動かすドルトムントの攻撃陣の前で、スペースを完全に消していた。数少ない反撃の機会には、体の強いFWジョン・コルドバに預けるか、右サイドのデヨファイシオ・ゼーファイクの突破力に懸けるのみ。見ている側にも苦痛極まりない展開は、むしろヘルタが狙った通りの「ゲームの殺し方」だった。