■前半のシュート数とピッチコンディションの問題

 この試合をタフな展開に持ち込んだ要因の一つが、激しいぶつかり合いだった。主審は激しいコンタクトでも笛を吹く回数は少なかった。それは、2月に行われた富士ゼロックス・スーパーカップ(川崎フロンターレガンバ大阪)でも“示された”もので、今季のJリーグの指針通りではある。そのため、サイドやゴール前などピッチ上のいたるところで、球際の激しい攻防が見られることとなった。

 それに加え、ピッチの問題もあった。稲垣が「レイソルさんのスタイルを考えても、僕らのスタイルを考えてもタフな試合になると分かっていました。またピッチの状況も大きな要因になった」と話せば、DF丸山祐市が「正直、グラウンドが悪く、リスクがあるパスだと味方がミスしたときに、ピンチになってしまうという場面も多くありました」と振り返る状況だった。

 それは指揮官も同様に感じ、マッシモ・フィッカデンティ監督も、「グラウンドの影響もあったのか、ボールをしっかりキープできなかった。ややプレーするのに難しいグラウンドコンディションだった」と戦い方に影響したと明かしている。

 固い守備を誇る名古屋とインテンシティの高いレイソルが、笛とピッチの影響もあって激しくぶつかったことで、90分間気を抜けない展開となった。最初の45分は、両チームともに守備面で集中力が高く、決定機はなかなか生まれなかった。前半のシュートの本数が、柏レイソルは1本、名古屋グランパスは4本と合わせて5本だったことが、緊迫した内容であることを物語る。

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