SC相模原が、J2に初参戦して初めての試合にホームのギオンスタジアムで臨んだ。対する古豪の京都サンガは、Jリーグに復帰してきたチョウ・キジェ監督の就任初戦である。期待感の高まる両チームの対決は、見ごたえのある好試合となった。
■SC相模原は、J2での戦いに手ごたえあり
2021年J2リーグの開幕節、僕はSC相模原対京都サンガF.C.の試合を観戦した。
年に数回程度ではあるが、JFLの時代からずっと見てきた相模原が、J2という新しいカテゴリーに上がって初めての試合だという興味もあったし、チョウ・キジェ監督就任によって一躍、昇格の有力候補の一つとなった京都が“目標”に向けてどのようなスタートを切るかという興味もあった。
前日からは気温は上がったものの、強い風が冷たい中での試合だった(相模原のギオンスタジアムはいつでも風が強い)。
相模原は、間違いなく「善戦」だった。
もちろん、戦力的な差があるのは当然なので、相模原は5バックで守備を固めた。昨年のJ3リーグでもしっかり守る手堅いサッカーで勝ち上がってきたのだから、当然の選択だったろう。
しかし、前半の20分ほどまでは左サイドバックの星広太がサイドハーフ的な高い位置を保っていたので実質的には4−4−2の形で、7分に和田昌士がオーバーヘッドシュートを試みるなど左サイドから何度かチャンスを作っていた。
その後、25分を過ぎるあたりからは完全な5バックとなって自陣深くで守備に追われる展開となっていく。しかし、相模原の中央の守りは堅く、京都の攻撃陣をなかなかペナルティーエリア内まで進入させず、京都はエリア外からのミドルシュートが増えていった。
後半も、立ち上がりに平松宗が縦パス1本で抜け出す決定機があったが、京都のGK若原智哉に防がれると、その後、相模原は再び5バックで守りを固め、時折左サイドから星が攻め上がる以外は防戦一辺倒になってしまった。
それでも、中央の守りは最後まで崩れず、開幕節での勝点獲得の可能性も見え、スタンドの手拍子による応援にも熱がこもってきていた。だが、82分に京都のDFヨルディ・バイスにCKからのボールをヘディングでねじ込まれ、さらに4分後には三沢直人にミドルシュートを突き刺されてしまった。
相模原は「善戦」を勝点にはつながられなかったが、J2リーグでの戦いに向けてある程度の手ごたえをつかめただろう。J2昇格によって観客数も増加し(この日は2470人)、まずはJ2定着に向けての第一歩を踏み出したところだ。