■結果を出したのは久保ではなくアレニャ
後半に入り50分、ボールを下げたバレンシアに対してネマニャ・マクシモヴィッチが猛然とプレスをかけてムクタル・ディアガビの退場を誘発し、ヘタフェは数的有利も得た。
55分にはハイメ・マタが追加点を決めた。大きなゴールキックをエネス・ユナルがヘディングで競り合い、ディフェンスラインの裏に流れたところをマタが仕留めた。
2得点もレッドカードも、久保とアレニャがいる必要がないスタイルでのものだった。
久保にとって素直に喜べない試合になった理由はそれだけではない。
85分、ようやくアレニャと共に出番が訪れた久保だったが、87分にアレニャがゴール。限られた時間の中で結果を手に入れたのはアレニャの方だった。左サイドでボールを持ったクチョ・エルナンデスが、アピールをしてペナルティエリア内に入った久保にボールを出そうとしたが、ディフェンダーに当たったそのボールはアレニャに届き、アレニャはそのチャンスを逃さなかった。躊躇わずにそのままシュートすることを選択すると、ボールはゴールに吸い込まれた。
内容ではなく、とにかく何でもいいから結果が必要だった久保に対し、アレニャはまさにそういう状況をものにしてみせた。
久保とアレニャがいなくても勝てる、という試合になっただけでなく、どういう形であれアレニャは結果を残した。前節は81分に登場し、今回は85分。出場時間がどんどん短くなっている久保は、次戦で果たしてどういう扱いになるだろうか。