この2チームには、他にも共通点がある。得点力への不安だ。
湘南は昨季、J1最少の29得点に終わった。チーム最年長ながら最多6得点を挙げた石原直樹には感嘆するばかりだが、攻撃陣の補強が心もとない。7年ぶりに戻ってきたウェリントンだが、2ケタ得点したのはJ2でのみ。ウェリントン・ジュニオールも、ポルトガルで得点を量産していたわけではない。
昨季の福岡は、J2最少失点という守備力がベースとなった。ただし、引いて守るばかりではなく、高い位置からのプレスも効いていた。就任1年で見事J1へと引き上げた長谷部茂利監督の下、スタイルが大きく変わることはないだろう。そうだとすれば、昨季11得点の遠野らの退団は倍の痛みを伴うこととなる。
過去のシーズンを振り返っても、得点力が低いチームが降格する例が圧倒的に多かった。湘南と福岡がJ1を戦い、ともにJ2降格を味わった2016年も、この2チームが得点数ワースト2だった。ちなみに福岡は、初めてJ2へ降格した2001年以降、J1残留に成功したことはない。こうした「前例」を覆すことは、決して簡単ではない。