■『久保の注目ポイント』

 この試合に向けての現地メディアの注目は、ボルダラス監督がこの先どうなるのか、のみになっている。これまでは試合に向けて久保を主役に据えた記事が複数書かれていたが、レアル・マドリード相手に控えに回されたことで、注目度は一気に低下した。

 結果を出せないままとうとう先発からベンチに回ることになってしまった久保だが、幸か不幸かチームは好転の兆しを見せなかった。誰もが結果を出せていないことで、まだ逆転のチャンスがある。1点が全てを変えてくれる。

 ロングボールとファウルが多いチームでは良さを発揮できない、という同情的な見方もあるが、結果を出せずに試合を重ねたことで、もともといた選手たちが原点回帰していった、ということを忘れてはならない。厳しい環境でも結果を出してこい、というのはローン移籍で多々あることだ。そして、その状況から抜け出すのに時間がかかっていると、チームのランクを下げてローンに出されるようになり、ますます良さを発揮しにくくなる。そうやって、有望とされる選手の多くがいつの間にか消えていく。

 1点が全てを変える。出場時間が短くても、どんなに厳しい状況でも、自分の道は自分で切り拓かなければならない。ライバルが結果を出してしまう前に、チームも自分も救う1点が必要だ。そうしないと、今のプレースタイルのままトップレベルで必要とされ続ける、という未来そのものがなくなってしまう。

 監督も、久保も、ソシエダ戦は追試だ。

 死に物狂いのヘタフェを、久保を、見ることができるだろうか。
 

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