注目選手② MF:東慶悟

 かつて、この世で一番怖いものは?という質問に「怪我」と答えたことがある東。その理由は「サッカーができなくなるのが一番怖い」からだった。

 昨年は7月22日の試合で右第五中足骨骨折の重傷を負い、怪我との長い戦いを終えて戻ってきたのはシーズン最終盤の11月18日だった。本来であれば11月7日の開催だったルヴァンカップ決勝は欠場しているはずだったが、1月4日に延期されたことで出場を果たし、悲願の移籍後初タイトルを獲得することができた。不運な出来事の中にも幸運がある。怪我を若手が台頭するチームを外から見る時間が長かったことも、キャプテンとしてチームをまとめていくことには大いに役立つに違いない。

 そして、東が年間を通じてプレーすれば、ディエゴ・オリヴェイラが組み立てに労力を割くことから解放される。2018年にリーグ戦13ゴール、2019年には14ゴールを記録していたオリヴェイラは、組み立てに加わる場面が増えたことでシュートシーンそのものが減り、2020年は9ゴールに終わった。長谷川監督が新たに掲げた「38試合で60点」という目標をクリアするためには、オリヴェイラのゴール数が増えることは欠かせない。

 キャプテンとしても、プレーヤーとしても、東が東京を支える。

東慶悟選手 撮影/原壮史
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