■注目選手① DF:中村拓海
中村のもともとの売りは高速クロスだ。橋本拳人が移籍して以来定まっていなかったアンカーは、森重真人がルヴァンカップ決勝で見事に役割をこなしただけでなく、青木拓矢を獲得したことでようやく落ち着きそうだ。アンカーが安定すればサイドバックはより高い位置でプレーすることができ、中村のクロスもさらに目立つようになる。
また、度胸のあるパスも魅力だ。相手がいても躊躇なくボールを通すことができる。攻撃のスイッチを入れるそのプレーは、東京のストロングポイントである強力な個の力を持つ前線を活かすのにうってつけだ。縦パスはプロになってから進化した部分だ。速くて強い東京の前線だからこそ出したパスが収まり、厳しい状況でも縦に出せる、という感覚を磨くことができた。中村のパスセンスを引き上げたのは東京の前線の選手たちであり、その恩恵を受けるのもまた彼らだ。互いに利益を享受し合い、それが個人でもチームでも好成績に繋がる。