■大学サッカーをJ3に組み込むのはどうだろう

 またラレア氏はU12からU18まで、各カテゴリーが国内最高レベルのリーグで力を磨けることも、育成の大きな鍵であると語る。さらにトップチームのBチームは3部、Cチームも4部リーグに所属。まだ若い選手たちが主体で、

「U-18を卒業した後のサポートもしっかりできていることで、早期に活躍できるような体制になっていると思います」

 と語る。

 しかも、現在のBチームの監督は元スペイン代表のシャビ・アロンソ。

 古巣に戻ってきた英雄は、

「このクラブで必要なプレーを伝えながら、モウリーニョやアンチェロッティら名将の下で学んだコンセプトを落とし込み、選手の飛躍的な成長を可能とする監督として、非常に評価されています」

 という。

 日本では、大学サッカーが若い選手へのサポート体制にあたるとも言える。

 ラレア氏は大学サッカーの質を評価しつつ、やはり競争の重要性を指摘する。

「大学では4年間、同じリーグでプレーすることになります。例えば、J3に組み込んだら、より才能ある選手との良い競争になるのではないでしょうか」

 日本サッカー成長の可能性は、まだまだ残されている。

※第5回につづく

Alex Larrea
スペイン、サンセバスチャン出身.元スペインサッカー協会会長の父、U-21スペイン代表で現在レアル・ソシエダ育成部長の兄など、エリートぞろいのサッカー一家で育つ。自身もカナダでプロとしてプレーした後、一度は会社員となるも、再び指導者としてサッカーの世界へ。ヨーロッパ最高位の指導資格であるUEFAプロライセンスを取得し、現在は日本でDV7サッカーアカデミーのディレクターコーチを務める。

ダビド・ビジャが創立し、ロジカルプレーが身につきプレースピードが圧倒的に高まるというDV 7アカデミーは、来季に向け2月からセレクションを実施。

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