■ヨーロッパならではの独自の状況

 スーパーリーグ構想が表面化するたびに、そうした既存の枠組みを守ろうという勢力から反対論が出て、構想はいつも立ち消えとなってきた。

 FIFAなどが声明を出した直前には、18チームが参加する「欧州プレミアリーグ」の構想が報じられ、それによるとFIFAもその構想に乗っかっているとのことだったが、FIFAはすぐにそれを否定する声明を発表したのだ。

 この辺りは、FIFAとUEFAの間の主導権争いという面が強いような気がするが、いずれにしても各国リーグで一部のメガクラブがタイトルを独占するような状態が続いたとするなら、スーパーリーグ構想はこれからも何度も浮かび上がってくるのではないか。

 繰り返しになるが、ごく一部のクラブしか優勝の可能性がないようなリーグは、見ている側もやっている側も面白くはないはずだ。

 そもそも、現在のサッカーの世界はフランスとかドイツ、スペイン、イタリアといった主権国家の枠組みに基づくナショナル・アソシエーション(協会)によって成り立っており、その各国協会毎にリーグ戦が組織されているのだ。

 だが、今では欧州連合(EU)という組織が存在し、ヨーロッパは政治的にも経済的にも文化的にも統合されている。多くの国が「ユーロ」という共通通貨を使っているし、平常時には国境での審査もない。それなら、サッカーの世界にも“各国”協会の枠組みを超えたスーパーリーグが存在してもいいのではないか。

 僕は、いずれはスーパーリーグは実現すると思っている。

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