■日本相撲協会への提案

 これまで、大相撲の世界は番付による序列が明確な世界であるように思っていたが、現在はまったくの混戦状態。場所が始まってみないと展開がまったく予想できない状態になっているのだ。

 こんな状態がこれからも続くとするなら、番付制度など無意味になってしまう。

 今場所前に「横綱昇進がかかる」として注目を集めていた大関の貴景勝はなんと2勝8敗5休という結果に終わって、来場所はいわゆる「カド番」つまり再び負け越したら大関陥落という状況に追い込まれてしまった。

 大関あるいは横綱という地位に就くと「勝ち越しは当然」と考えられているわけだ。大関では勝ち越しても、たとえば9勝6敗といった成績では非難を受けるし、横綱は常に優勝争いに絡むことが期待されているのだ。

「横綱や大関にされてしまった力士はかわいそうだな」と同情を禁じ得ない。「日本出身の横綱」として期待を集めながらケガに泣かされて引退してしまった稀勢の里(現・荒磯親方)なども、もし横綱にさえなっていなければ今も現役を続けていられたかもしれない。

 力士たちにそんな余計な負担をかける番付制度などもう止めて、幕内は単なる「1部リーグ」と考えるようにすれば、力士たちはもっと気楽に相撲が取れるようになるのではないだろうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4