■ワールドクラスのDFとして足りないもの
ミッションについてはしっかりと期待に応えた。失点も冨安が絡んだものではないし、混乱させられた時間が長かったのもチーム全体がユベントスにしてやられたもので、冨安1人の評価を下げるものではない。様々なポジションの動きを見せることもした。しかし、ビッグクラブにステップアップし、より大きな舞台でワールドクラスのディフェンダー、特にセンターバックとして活躍するには、まだ足りないものもあるということが見えた試合でもあった。
この試合のように相手がやり方を変えたことで上手くいかない時間帯になった時にどう対応するか、というのはほとんどが監督の仕事だが、戦術面で上手くいかなくなったことでパフォーマンスそのものを落とし、それを最後まで回復できないことはあってはならない。
ボローニャであればチーム全体がそういう状態になってしまうので目立たないが、ビッグクラブのセンターバックとしてそれは致命的なものになり得る。戦術的な理由で一瞬落ちた質を、監督の戦術面での対応と並行して取り戻すことは必須であり、戦術的な対応よりも早く自らを取り戻すことができるセンターバックがより重宝される。
苦い経験となったが、セリエAでまだ2シーズン目、しかもサイドバックでの出場が多かった冨安にとって、これも貴重で重要な経験であり、成長の糧となるに違いない。日本人で誰も辿り着いていない境地を目指し、冨安の挑戦と成長が続く。
■試合結果
ユベントス 2ー0 ボローニャ
■得点
15分 アルトゥール(ユベントス)
71分 ウェストン・マッケニー(ユベントス)