1月24日のユベントス対ボローニャ戦。
試合が始まると、冨安健洋は右サイドバックでも右センターバックでもなく、左センターバックとしてユベントス相手にプレーした。その理由は、課せられたミッションがデヤン・クルゼフスキ封じだったからだ。
クルゼフスキは、攻撃的なポジションをどこでもハイレベルでこなす選手だ。サイドアタッカーとしてでも、トップ下としてでも、センターフォワードとしてでもユベントスでレギュラーとしてプレーできるレベルにあり、アンドレア・ピルロ監督の可変フォーメーション、そして2トップと3トップの併用で重宝される存在だ。
この試合のクルゼフスキはセンターフォワードとして出場した。前半途中まではクリスティアーノ・ロナウドが左サイドに大きく開いていたことで、クルゼフスキの1トップに近い形で試合が進んでいた。
冨安は、ターゲットが最前線の選手かつ独立した状態だったことで対応しやすく、順調にミッションを遂行していた。クルゼフスキが左に流れようとすれば左に、右に流れれば右に、下がってボールを受ける場合はセンターサークルまで一緒に、とフォーメーションに関係なくマンマークのように対応にすることが可能だった。
ところが、ボローニャが15分に不運な形で失点すると、リードを奪ったユベントスが動いた。20分が過ぎるとロナウドが中央に動いて2トップの形になったところにフェデリコ・ベルナルデスキやウェストン・マッケニーまでが加わってフラットな4トップのようになる場面が増え、ボローニャの守備陣全体が混乱状態に陥った。冨安のミッションもここでやむを得ず終わることになった。