前半終了時点で、リバプールのボール保持率は66%、シュート数は9本だった。
対するマンチェスター・ユナイテッドのシュートは僅か1本。スタッツだけ見ればリバプールがマンチェスター・ユナイテッドを圧倒したように見えるが、やりたいことをやれていたのはユナイテッドの方だった。
首位に立ったユナイテッドにとって、アウェイでのリバプール戦は負けないことが大切な試合だった。4-4-2の形で守るユナイテッドの最終ラインは、リバプールのフォワード陣を視界に捉えながら、それよりも1歩低い位置を保ち、多くの時間をペナルティエリアの中で過ごした。
引いているディフェンスラインの代わりに、その手前にいる2人のセンターハーフ、スコット・マクトミネイとフレッジがリバプールの縦への動きを担当した。彼らは背中を向けてボールを受ける相手には寄せるが、それ以外の場面ではスペースを埋めることに集中した。
攻撃では、高くなったリバプールの最終ラインの左右に大きく開いたアントニー・マルシャルやマーカス・ラッシュフォードへロングボール1本でボールを送った。シュートは1本だけだったが、オフサイドは7回もあり、その狙いは明らかだった。ゴールキーパーのアリソンがペナルティエリア外まで飛び出してクリアする場面もあり、数字の印象とは逆にユナイテッドが優位に試合を進めていた。