ルヴァンカップ制覇のFC東京「陰のMVP」が生まれた理由  柏ーFC東京 PHOTOギャラリー「ピッチの焦点」の画像
優勝に喜ぶFC東京 撮影:原壮史
2020ルヴァンカップ決勝 柏ーFC東京

 この日、受付で検温を済ませると、フォトグラファー用のビブスと1枚のシールを渡された。シールには「11/7 検温済」の文字が書かれていた。Jリーグにとって、この日は2021年1月4日ではなく、この試合が終わってようやく2021年を迎えることができる。そんな気持ちにさせられた。

 しかし、試合は2020年11月7日に開催していた場合とは全くの別物になった。

 より違っていたのはFC東京だ。10番の東慶悟が骨折による長期離脱から復帰したのは11月18日、本来であれば出場できなかったキャプテンがスタメン出場して気の利くプレーを見せ、最後にはカップを掲げた。

 柏レイソル江坂任とマイケル・オルンガを封じることができたのもそうだ。ジョアン・オマリの好調は11月24日からカタールで集中開催されたACLによるものが大きいし、森重真人のアンカーは12月19日のリーグ最終戦の時点ではまだフィットしていなかった。

 FC東京はシーズンの途中で室屋成橋本拳人が海外に移籍した。日本代表の2人をいきなり欠いたことで、長谷川健太監督は積極的に若手にチャンスを与えてきた。室屋の抜けたサイドバックは中村帆高中村拓海がすぐに台頭したが、橋本の穴は大きかった。4-1-2-3の1の部分のクオリティは、チームの成績に直結する。

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