だが、彼のルーツは間違いなくスペインにある。
アルテタはバスクの街クラブ、アンティグオコというところでプレーしていた。シャビ・アロンソ、アリツ・アドゥリス、アンドニ・イラオラ、サン・ホセ……。名選手を輩出してきたクラブだ。
アーセナルの監督に就任したアルテタ、レアル・ソシエダのBチームを率いるシャビ・アロンソ、ラージョ・バジェカーノで指揮を執るイラオラ、奇しくも引退した選手たちは指導者への道を歩んでいる。
「彼の人間性は素晴らしく、非常に働き者だった。私はアルテタが監督になるだろうと予想していた。いや、彼はすでにマンチェスター・シティで監督としての働きを見せていた」
これはジョゼップ・グアルディオラ監督の言葉だ。選手として、アシスタントコーチとして、すでに監督のように振る舞っていた男は、いまアーセナルのベンチに座っている。ルーツを携え、悲運の壁を乗り越えて。