■アジアのレフェリーたちに多い誤解
このように、正しい判定を導くために、VARは大変に有用なものだ。こうした技術が開発された以上、これからも(それ以上の技術が開発されるまで)VARは各リーグや多くの国際大会で使用されていくだろう。
だが、VARが過剰に介入して、VARによって試合の勝敗が決するようなことは避けなければならない。
AFC主催の大会でたびたびVARの過剰介入という問題が起こることの根本的な原因は、アジアの審判員たちが「VARというものはすべてのプレーに目を光らせ、あらゆる反則を見逃さないために存在する」と考えている点にある。
先ほど紹介した日本サッカー協会のサイトの文言を再び引用すれば、「VARを担当する審判員が自身に問うことは、『その判定が正しかったのか?』ではなく、『その判定ははっきりとした明白な間違いであったのか?』です」という部分が理解されていないのだ。
AFC主催の大会で、日本チームは何度もVAR判定に悩まされてきたが、その原因はこの点についてだった。日本サッカー協会としては、再発防止のためにAFCに対してVARの基準についての再確認を強く申し入れるべきであろう。