鹿島は、前節から12日間空いての試合だ。前節は、このカシマスタジアムで浦和戦を戦った。その試合も、清水戦同様に寒さが身にしみる中での試合だった。そして、その試合でも、スコアを動かしたのは上田だった。11分と50分にゴールを奪ってみせた。2試合連続で2得点を決めて、今季通算得点を10得点と2ケタに乗せた。鹿島の日本人エースと呼ばれるにふさわしい数字だ。

 しかし、試合終了を告げるホイッスルを聞いた上田の表情はさえなかった。自身の得点で勝利したにもかかわらず、笑顔がなかった。チームメイトとグータッチをするときもそれは同様で、GK沖悠哉にちょっかいを出されるまで、顔はこわばっていた。

「個人的にミスが多い試合だった」

 これは、ヒーローインタビューでの上田の第一声だ。あの表情の裏には、自身のプレーへの不満があった。

「手ごたえは分からない」

 さらに、こうも答えた。一方で、試合後には「今日の試合に関しては、仕事ができたのではないかと自信を持っていいと思います」とも気持ちを表している。評価できる部分と満足してはいけない部分をしっかりと分けているのかもしれない。

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