メッシの新相棒「純粋な9番」ブライスワイトの「労働」によぎる「北欧の先達」の記憶の画像
メッシとチームの信頼を獲得しつつあるブライスワイト(バルセロナ) 写真:AFP/アフロ

 ルイス・スアレスの移籍は、バルセロナに大きなダメージを与えた。

 2014年夏にバルセロナに加入したスアレスは、すぐにチームに必要不可欠な存在になった。メッシ、スアレス、ネイマールの「MSN」は欧州の脅威となり、2017年夏のネイマールの退団以降はメッシとスアレスのコンビがバルセロナの得点源になった。

■スアレスが抜けた穴

 スアレスがアトレティコ・マドリーで躍動する一方、バルセロナは苦しんできた。リーガエスパニョーラでは、一時13位まで順位が後退。バルセロニスタ(バルセロナのファン)からすれば、到底、納得できる位置ではなかった。

 だが、バルセロナは「勝ち方」を取り戻し始めているようにみえる。チャンピオンズリーグ・グループステージ第4節ディナモ・キエフ戦(4-0)、リーガ第11節オサスナ戦(4-0)、チャンピオンズリーグ・グループステージ第5節フェレンツバロシュ戦(3-0)と連勝を飾った。

 ロナルド・クーマン監督は今季、バルセロナで【4-2-3-1】の布陣を採用している。リーガのオサスナ戦では、アントワーヌ・グリーズマン、フィリペ・コウチーニョリオネル・メッシが先発のピッチに立った。トップ下にグリーズマン、左サイドにコウチーニョ、右サイドにメッシが配置された。

 クーマン監督のシステムで、重要な役割を担うのが1トップの選手だ。しかし、そのポジションの最適解になり得たスアレスが去り、指揮官が要望していたメンフィス・デパイ(リヨン)の獲得は見送られた。

 そんな中、先のオサスナ戦で1トップに据えられたのがマルティン・ブライスワイトだった。ブライスワイトは「純粋な9番」である。ポストプレーをこなしながら、機を見てディフェンスラインの裏に走る。前所属レガネスでそういったプレーを披露していた。それがキケ・セティエン前監督に気に入られ、バルセロナ移籍が決まったのだ。

 ブライスワイトが攻撃で「深み」を与え、また彼が相手のセンターバックを引っ張ったところで、2列目の選手が飛び出してくる。あるいは、トップ下の空いたスペースにメッシが入ってきて、左サイドバックのジョルディ・アルバにスルーパスが出る。メッシーアルバのホットラインが活発になり、攻撃に厚みがもたらされるようになってきている。

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