ロウサンドがネイマールの獲得をマニフェストに含めるのはメッシを説得するためだ。まず、状況を整理しなければならないだろう。メッシの現行契約は2021年夏までとなっている。会長選は来年1月24日に行われる予定だ。だが契約期間が半年を切れば、他クラブとの自由交渉が可能になる。規定の上では、メッシがバルセロナ以外のクラブと接触しても問題ないのである。
目下、次期会長の最重要事項はメッシを残留させられるかどうかだ。ヨアン・ラポルタが「メッシはバルサを愛している。だからクラブにチャンスを与えてくれるはず」と述べれば、ビクトール・フォントが「我々は継続的なスポーツプロジェクトをメッシに提示する」と語る。一方、ラポルタやフォントはネイマールの復帰に否定的だ。あくまで、メッシとの関係性や指揮官招聘を含めたプロジェクトで彼を納得させるべく動く考えである。
暫定的に会長職に就いているカルレス・トゥスケッツは「ネイマールの移籍の可能性があるとすれば、フリートランスファーでの加入だ。彼を獲得する資金はない」と一蹴している。バルセロナは2020-21シーズンの減俸に関して選手たちと交渉を続けてきた。先日、1億2200万ユーロ(約146億円)減で両者は基本合意に達したばかりだ。
ただ、ネイマールとメッシが再び共演するのがバルセロナでとは限らない。パリ・サンジェルマンで、という可能性さえある。ネイマールとパリ・サンジェルマンの契約は2022年夏までだ。パリ・サンジェルマンは彼とキリアン・ムバッペの残留に向けて全力を尽くすだろう。
会長選を控えた者たちは、意見をすることはできても、何かを決めることはできない。そう、決断するのはメッシだ。またも、メッシなのである。そういう意味では、鍵を握るのはネイマールというより、メッシになるのかも知れない。