「2021年JFL」昇格チーム決定(1)TIAMO枚方“昇格立役者”は元鹿島・野沢拓也の画像
鹿島時代の野沢拓也(2014年) 写真:アフロ

日本サッカーのリーグ構成では、アマチュア(ノンプロ)の最高峰は日本フットボールリーグ(JFL)である。2020年は、そこで戦うことを目指して132チームが、日本全国を9地域に分けて、それぞれの地域で覇権を競った。その最終決戦の場である「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」(通称「地域CL)が、11月19日から23日にかけて開催された。

■JFLへの「高い壁」を超えたのは

 11月19日から23日にかけて、千葉県市原市のゼットエーオリプリ・スタジアムで「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ決勝ラウンド」という大会が開かれていたのをご存じだろうか? 「チャンピオンズリーグ」とはすごい大会名だが、かつて「全国地域リーグ決勝大会」と呼ばれていた大会だ。

 全国9地域に存在する地域リーグの優勝チームなど12チームによる大会で、原則としてこの大会で2位以内に入れば来シーズンから日本フットボールリーグ(JFL)に昇格することができる(JFLのチーム数の増減などによって昇格チームの数が変わることもある)。Jリーグに加盟するためにはスタジアムやクラブ経営などの条件を整えてライセンスの交付を受けた上で、JFLで上位に入らないといけないわけで、将来のプロ化=Jリーグ加盟を目指すクラブにとって、JFL昇格はけっして避けて通れないきわめて重要な一歩となる。

 そして、地域リーグから全国リーグに昇格するための大きな「壁」となるのが、この「地域サッカーチャンピオンズリーグ」なのである。

 この大会が、そしてJFL昇格が難しい理由については後で触れるが、今年の決勝ラウンドには関東(栃木県)の「栃木シティFC」、東海(愛知県)の「FC刈谷」、関西(大阪府)の「FC TIAMO枚方」、そして北海道の「北海道十勝スカイアース」の4チームが進出。1回戦総当たりのリーグ戦を戦ったのだが、上位3チーム同士はすべての試合が引き分けとなり、得失点差(つまり、最下位の北海道十勝スカイアースから何点を奪ったか)によって、TIAMO枚方が優勝。準優勝のFC刈谷とともにJFL昇格(FC刈谷は12年ぶりの復帰)が内定した。強豪ひしめく関東リーグを無敗で制した栃木シティは北海道十勝スカイアース相手に1点しか奪えず、最終日にはTIAMO枚方相手に猛攻を続けながら、スコアレスドローに終り、涙をのんだ。

 大会を制したTIAMO枚方は新井場徹、播戸竜二、稲本潤一がオーナーとなって結成したというクラブで、現在の監督は名古屋グランパスなどで活躍し、昨シーズンで引退した小川佳純。そして、選手の中にもJ1リーグ経験者が何人も在籍。その中には39歳になった野沢拓也(元鹿島アントラーズ)や40歳の二川孝広といった往時の名選手たちもいる。

 野沢は、初戦の北海道十勝スカイアース戦では前半追加タイムの先制ゴールや後半立ち上がりの2点目の起点となるなど5対0の大勝の立役者となり、その5ゴールが最終的には得失点差による優勝につながったわけで、昇格劇の主役の一人となった。パスのセンスはさすがで、小川監督も「野沢さんがボールを持つと、他の選手の動き出しが良い」と絶賛していた(小川監督は3歳年上の野沢のことを「野沢さん」と呼ぶ)。

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