槙野智章が疾風のごとくコーナーフラッグまで駆け抜けていったのは幻だったのか。
「ただ、先制点を取った後の同点ゴールまでの時間がかなり短かったですね。同点にされてしまった後、チーム全体でパワーダウンしてしまったかな、という印象です」(槙野)
こぼれ球に反応して同点ゴールを奪ったG大阪の宇佐美貴史は冷静だった。
「何としても勝ち点を拾いたいという思いもありましたし、そこを狙い続けた結果、よいところにボールがこぼれてきて、よいところにシュートが打てたかな、と思います」(宇佐美)
プロ初ゴールとなる決勝点を決めた高尾瑠は素直に初ゴールを喜んだ。
浦和vs G大阪と言えばかつては事件も起きた熱いビッグマッチ。特別な試合でのゴールは格別だった。
試合が終わったころには、夕闇がせまっていた。
「パパ、さっきの凄かったね」娘の語り掛けに、帰り支度をする父親がニッコリとうなずく場面があったらそれだけで十分なのだ。