■遠藤航はメキシコ戦でも攻撃にスイッチを
結果は妥当なものだった。オーストリア・グラーツで行われた、現地時間11月17日の日本対メキシコ戦である。
チャンスは作るものの決め切ることができず、相手に先制されて押し切られる──アジアでは押し切る側に立つ日本も、W杯ベスト16の常連との対戦では立場が逆になる。メキシコは必ずしもベストメンバーではなかったが、攻撃の2枚看板のラウール・ヒメネスとイルビング・ロサーノがきっちり得点した。アルゼンチン人のヘラルド・マルティーノ監督率いるチームは、FIFAランキング11位の実力を示したのである。
10月のカメルーンとコートジボワール戦、それに今回のパナマ戦とメキシコ戦は、新型コロナウイルスの感染拡大で止まっていた時計を動かし、来年3月再開予定のカタールW杯アジア2次予選の助走としての意味合いを持っていた。結果はもちろん問われるべきだが、ポジションの序列をもう一度見極める機会でもあった。
パナマ戦とメキシコ戦の2試合で、もっとも存在感を示したのはMF遠藤航だろう。日本代表の活動がなかった間にシュツットガルトでブンデスリーガ1部昇格の立役者となり、今シーズンも主力となっていることで、国際舞台でも自信を持ってプレーできている。
Jリーグでプレーしている当時からデュエルに強く、タテパスを刺し込める選手だったが、どちらもより明確な強みとなっている。メキシコ戦でも鋭いタテパスで、相手を崩すきっかけを作っていた。チームの中心と位置づけられるべき存在だ。