■マシアに存在する「拳の順番」

 また、その「厳しさ」はピッチ内にとどまらないようだ。 
 
「現在はわかりませんが、マシア内ではピッチ外における上下関係がとても厳しいらしいです。サッカー選手の他に、バスケットボールやフットサルをしている子たちも一緒に暮らしていて、200-300人くらいが生活しているんじゃないでしょうか。そうなると派閥のようなものや、いわば”拳の順番”のようなヒエラルキーも生まれるていると聞いたことがあります。だから地元カタルーニャの子は、親が心配するので、自宅から通わされてます」 
 
 中でも「伝説」となっている選手がいる。現在はイングランドのウォルバーハンプトンでプレーする、スペイン代表FWアダマ・トラオレである。 
 
「『マシアのボス』だったらしいです。トラオレが食堂に入ってくると、他の子たちは物音を立てられない。雑談していても突然シーンとなって、トラオレが食べ物を取って食卓で食べ始めると、また皆が普通に話し始めるといった儀礼があったそうです」 

 良し悪しや程度に違いはあれ、ガキ大将やいろいろな種類の力の差は存在するものだ。それが世の東西を問わず「子どもの世界」の常なのだろう。だが、そうした子どもの世界の形成に、大人の欲望が加担してしまうケースもあるのだという。そうした背景が、日本の才能にも大きな影響を与えていた可能性がある。

<その3「神蔵氏だけが知る久保建英」に続く>

かみくら・ゆうた 東京都出身。大学卒業後、スペインにてスポーツ経営学を修める。卒業後、留学コーディネーターの現地駐在員としてバルセロナにて8年勤務。その後、アンドレス・イニエスタの日本への移籍に伴いヴィッセル神戸の通訳として業務を開始。翌年に神戸に加入したダビド・ビジャの通訳も務め、天皇杯獲得を置き土産としたビジャの引退と同時に神戸を離れる。現在はビジャが展開するDV7プロジェクトの日本支部マネージャー。

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