■指揮官の本音
だがクーマン監督の本音としては、この混乱に乗じて新戦力を到着させたいところだろう。
考えられるのはメンフィス・デパイの獲得だ。バルセロナは今夏、デパイの獲得に失敗している。移籍金固定額2500万ユーロ(約30億円)で彼を確保しようとしていた。「すべてが決まっていた。けれど、何かの規定が移籍の成立を阻んだ」とデパイが語ったように、直前で移籍にストップが掛かった。
次の冬の移籍市場で、クーマン監督の要望で、バルセロナは再びデパイの獲得に乗り出すかも知れない。
ただ、問題がないわけではない。バルセロナはジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が辞任したばかりだ。カルラス・トゥスケッツ氏が暫定的に会長職に就き、臨時理事会を創設して危機に立ち向かおうとしている。彼らの主なミッションは2つ。次期会長選の開催と資金のやり繰りだ。
会長選に関しては、来年1月24日に行われる予定だ。こちらの課題は、選挙のやり方だろう。具体的には、投票方法と複数都市開催の可能性だ。特に、投票方法については、投函と電子投票が可能か否かで意見が分かれている。
一方、困難なのは資金のやり繰りだ。新型コロナウィルスの影響で、バルセロナの財政は圧迫されている。クラブとしては、選手たちのサラリーをカットすることで、お金を作り出したい。1億9000万ユーロ(約228億円)を、サラリーカットによって浮かせたい考えだという。クラブ側は30%のサラリーカットを要望しているが、現時点で選手側からの明確な答えは得られていない。