■札幌相手に調子を崩した川崎
12連勝中の川崎だったが、ある意味「憲剛ショック」なのか札幌相手に沈黙してしまう。リーグ戦では今シーズン2敗目。負けることがレアであるから、負け試合に遭遇すると、不思議と「得をした気」にもなってしまう。強さを見せつけていたチームが、完敗と認めざるを得ない状況に置かれた。
危険を冒す札幌のミハイロ・ペトロビッチ監督のサッカーが、ダメな日の川崎を作り出してしまった。
川崎が攻められない前半、フォトグラファーは顔を見合わせた。攻撃を立て直そうとした後半は、札幌のペトロビッチ監督のアンデルソン・ロペスとドウグラス・オリヴェイラの投入プランはミーシャ本人自身が驚くほど的中した。川崎はボールを奪われて、グイグイと攻められてロペスと荒野拓馬に2つのゴールを奪われてしまう。
どんなに強いチームでも、こういう日がある。
中村はすごく悔しそうだったが、試合試合終了後もファンに拍手を送ることを忘れなかった。
「未来からの現在」という言葉がある。川崎の優勝は、時間の経過とともに現実になる。中村憲剛は2021年1月1日、国立競技場の天皇杯決勝で「2冠王者」として現役を引退する。
だが、中村は引退後もチームに残る。そして「大変そうだが、ちょっと興味がある」という今までは見て来た「監督」というポジションを考えることになる。
私は、勝手だが、もう中村憲剛の姿に「監督」を見ている。