アザールが戻ってきて、前線の競争は激化するだろう。
ジダン監督を悩ませそうなのが、ヴィニシウス・ジュニオールの扱いだ。ボルシアMG戦後には、カリム・ベンゼマとフェラン・メンディのハーフタイムの会話が話題を呼んだ。ベンゼマがヴィニシウス・ジュニオールを非難している発言がフランス『テレフット』にすっぱ抜かれたのだ。
ただ、ベンゼマはヴィニシウスがマドリーに加入してから、ずっと彼をサポートしてきた。ゆえに、ビハインドの展開で厳しい言葉が口をついたのだろう。ジダン監督が「ピッチ上では起こること。私も現役時代に経験した」と語ったように、2人の関係に問題はないようにみえる。
ここで焦点を当てるべきはピッチ内における「ベンゼマーヴィニシウス」「ベンゼマーアザール」の関係性だ。現在のマドリーで、ベンゼマが攻撃の最重要選手だというのは間違いない。そして、そのベンゼマと化学反応を起こせるのは、やはりアザールなのである。
スペインのメディアを含め、期待値が高いのはベンゼマ、アザール、マルコ・アセンシオの3トップだ。だがそれはヴィニシウスを軽視しているわけではない。
むしろ、その逆だ。ジダン・マドリーが強さを発揮している時というのは、「プランB」が機能する。ドブレテ(2冠)を達成した2016-17シーズンには、ハメス・ロドリゲスやアルバロ・モラタが活躍した。
プランBの再考と強化が、リーガとCLの歪なバランスを打破する鍵になるはずだ。