「森保一監督に日本代表を託せるか」(3)チームのモラルと「最も重要な資質」の画像
森保一サッカー日本代表監督 写真/サッカー批評編集部
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※第2回はこちらより

代表監督は、このまま森保一に任せるべきなのか。日本の次なる目標はワールドカップでのベスト8だ。2002年6月から、この目標は更新されていない。2018年ロシア大会ではラウンド16でベルギー相手に2点リードしながら追いつかれ、ラストプレーで決勝点を決められた。2022年カタール大会では、今度こそベスト8を果たし、その先へと進まなければならない。そのためにふさしい日本代表の監督は、はたして誰なのか――。

■監督解任劇がまとまりを生んだロシア大会

 そして2018年大会の成功は、やはり2010年大会と共通する点が多い。前年夏の予選突破決定までうまく行っているように見えたバヒド・ハリルホジッチ監督が大会を3カ月後に控えた2018年3月に選手たちとのコミュニケーションが取れていないことを理由に突然解任され、西野朗技術委員長が監督に就任して臨んだ大会。西野監督のデビュー戦、国内で行われた壮行試合ではガーナに0-2で敗れ、ロシアでも期待薄と見られていたが、ここでチームがひとつにまとまり、幸運も引き込んで好成績につなげた。

 ロシアで迎えた初戦、開始直後のPKを生かして香川のPKで先制した日本は、そのPKにつながる反則で相手が1人退場になったことも生かし、いちどは同点とされながらも後半に大迫勇也が見事なヘディングシュートを決めて2-1で勝利。続くセネガル戦も粘って2-2の引き分けに持ち込み、第3戦のポーランド戦では、0-1でリードされながらも、同時刻に行われていた試合で日本と2位を争うセネガルが終盤までコロンビアに0-1でリードされていることを知ると、セネガルとは勝ち点も得失点差も総得点も並び、両チームの対戦結果も引き分けだったことから、西野監督は「フェアプレーポイント」でわずかに上回ることを知って反撃をストップ、0-1のまま試合を終わらせた。

 そして西野監督は、見事に2010年大会の教訓も生かした。ラウンド16のベルギー戦に勝つことで新しい歴史が生まれると選手たちに説き、この大会にはいってから最高の内容で後半なかばまでに2-0とリード。残念なことに試合終了直前に逆転を許し、2-3で敗れたが、6回のワールドカップ出場で最高の内容の試合を見せることができた。

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