■サポーターと選手の絆は深まったが……
結局ダメなままじゃないか。このクラブが変わるなんて無理なんじゃないのか?
怒りは呆れを含み、それがこの日、無反応として表れた。
好きの反対は嫌いではなく無関心。厳しいことを言うのは愛情の裏返し。
様々な言葉があるが、ベガルタサポーターの行動は一貫している。
どうにかしようと必死ならば、結果が出なくても応援する。どうにかしようというのが伝わってこないのでは応援できない、応援したくない。
選手たちはもちろん結果で応えようとした。いつも以上にボールを追い、ラインを割ってしまうことを何度も防いだ。2-2に追いついた場面では同点で良しとせず、すぐにボールを中央に戻した。直後に決勝点を奪われてしまったが、サポーターは選手たちのその姿勢を見てサポートし続けることを決め、試合後、15試合勝ちなしとなったチームを試合前と同様にたくさんのフラッグと拍手で迎えた。
試合を見たら応援したくなる、というのはサポーターとチームを繋ぐ根底の部分かつ最も大事なものだ。サポーターと選手たちの絆は、このどん底の状況でもより強くなった。
現在、クラブ存続のための募金は中断している。いずれ再開する時には、サポーターが
(喜んで愛するクラブを助けたい!)
と思えるようになっているだろうか。今度はチームではなくクラブがしっかりと姿勢を見せなければならない。