■代表で見たい小林悠(川崎フロンターレ)のシュート技術
10月7日のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝では、FC東京がリーグ戦で独走する川崎フロンターレを破って見事に決勝進出を決めたが、その試合でも永井は最大の立役者だった。
小川からのロングボールを永井が追って左サイドで粘って獲得したFKをレアンドロが直接決めて先制。そして、2点目も左サイドからレアンドロの頭にピタリと合わせた永井のクロスによるものだった。
すでに31歳という永井だが、この1、2年の間に“落ち着き”を身に着けて急成長を遂げた感がある。永井自身が多くの経験を積み、また努力を重ねた結果だろうし、同時に選手の個性を見抜いて成長させるのがうまいFC東京の長谷川健太監督の働きかけの影響でもあろう。
こうしたプレーを見ると、永井謙佑は日本代表CFの最有力候補の一人と言っていいように思えてくる。たまたま「CFの人材不足」を痛感した翌日に永井のプレーを見たこともあって僕はそれを確信した。
永井よりもさらに年齢が上の小林悠(川崎フロンターレ)も成長著しい。小林の場合は、シュート技術という意味での成長である。
川崎という素晴らしい攻撃陣がそろったチームの中での切磋琢磨、いわゆる「チーム内競争」の結果であろう。川崎のアタッカーたちは、本当に練習の時からしっかり狙って、実戦をイメージしたシュートを撃っている。その積み重ねが30歳を過ぎた小林をさらに成長させ、シュートの精度を高めているのだろう。
数少ないチャンスを確実にものにするためにも、彼のシュート技術は日本代表でも大いに生かしてもらいたいものだ。
ユトレヒトでの2試合で物足りなさを感じたCFの人材。それは、どうやらJリーグの中で発見できたようだ。