10月18日、オランダ・ユトレヒトで行われた日本代表の2試合を終えてチームに戻った久保建英が、ホームでバレンシア戦に出場した。ここまでラ・リーガで5試合54分しか出場機会の与えられなかった久保の起用法について、ウネイ・エメリ監督がいくつかのメディアに起用方針について説明するなど、久保について注目が集まった中での試合だ。
バレンシアとの一戦は、同じバレンシア州をホームとする両チームのダービー戦に当たるだけでなく、バレンシアを古巣とする選手がビジャレアルに何人もいることから、激しい試合展開が予想された。エメリ監督が試合直前に、「久保にペナルティエリア内でのプレー」を求めたのも、そのためだ。
その久保は、この試合でもベンチスタート。ただし、途中出場のタイミングは早かった。1-1で迎えた64分、右サイドでのライバルであるMFサムエル・チュクウェゼに代わって、ピッチに立った。勝ち越しを久保に託した采配だった。
その久保が期待に応えた。69分、左サイドのモイ・ゴメスからパスを受けると、後ろにダニ・パレホがいることを確認。ボールを前に運ばず、ヒールで後ろに出したのだ。パレホはペナルティエリア外だったが、思い切り右足を振り切ると、次の瞬間にはボールがゴールネットを大きく揺らしていた。
パレホは古巣相手の決勝点に複雑な表情を見せたが、チームメイトは歓喜を隠さなかった。