■伊東と鎌田が序列を上げた 

 2列目の序列には変化が生じた。森保監督の就任から堂安律南野拓実中島翔哉が重用されてきたが、今回の2試合では彼らを追いかける立場の選手が好印象を残した。

 右サイドでは伊東純也だ。スピード勝負の直線的なドリブルが、チャンスにつながっていた。守備のタスクもしっかりとこなしている。

 後半開始から起用されたカメルーン戦では、3-4-2-1のシステムでウイングバックを任された。ふたつのシステムを無理なく消化できることも、ライバルにはないアドバンテージに加えられる。

 鎌田大地も可能性を感じさせた。2シャドーの一角で起用されたカメルーン戦よりも、トップ下に入ったコートジボワール戦ははるかに目を引いた。決め切らなければいけない場面はあったものの、相手が嫌がるエリアでボールを引き出し、決定機を生み出していったことは評価できる。

 コートジボワール戦の後半途中からは、右から伊東、鎌田、南野拓実の並びになった。右サイドの伊東がドリブル突破からゴール前へクロスを入れ、1トップと鎌田、それに南野がゴール前へ飛び込んでいく形は、それぞれの特徴が生かされる。この3人の並びは、今度も試してみる価値がありそうだ。

 久保建英は評価が分かれるだろう。得点やアシストを期待されているだけに、「惜しい」プレーでは物足りなく感じられてしまう。65分から出場したカメルーン戦で直接FKがバーを叩き、先発出場したコートジボワール戦で際どいクロスを供給しても、周囲を納得させることはできないのだ。これはもう、久保の宿命である。

 ビジャレアルでは途中出場が続いている。十分な出場時間が与えられていないゆえに、ゲーム体力やプレーの感覚を研ぎ澄ますことができていない、というのはあるだろう。定位置獲得のアピールをする準備が、今回は残念ながら整っていなかった。

 コートジボワール戦は、左サイドで起用された。左が苦手ではないが、慣れているのは右サイドだ。これもまた、消化不良に終わった理由にあげられる。

 消化不良という意味では、堂安も同じだろう。カメルーン戦に先発したが、決定的な仕事はできなかった。

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