日本代表欧州遠征総括(1)世界レベルの3バックと順列向上の伊東純也、久保建英は「消化不良」の画像
伊東純也  写真:ANP Sport/アフロ

■最終ラインの3人は欠かせない

 日本代表の10月のテストマッチは、申し分のない結果となった。

 今回のように2試合連続の試合では、1試合目より2試合目のパフォーマンスが上がるものだ。10月9日のカメルーン戦がスコアレスドローに終わり、13日のコートジボワール戦が1対0の勝利に終わったのは、2試合目の相手が新監督就任直後だったとしても、ひとまず評価できるだろう。

 何しろ、昨年11月以来の活動なのだ。来年3月再開予定のカタールW杯アジア2次予選へ向けて、止まっていた時間を動かすことに、今回の2試合の意味がある。

 久しぶりの活動だからこそ、見えてきたものがある。コンビネーションを頼りにできないからこそ、チームの強みとポジションごとの序列が浮かび上がってきた。

 最終ラインの「個の力」は、明確な強みになることが改めて明らかになった。

 アフリカ勢と対戦するのは18年ロシアW杯のセネガル戦以来で、森保一監督の就任後は初めてだったが、カメルーン戦の吉田麻也冨安健洋酒井宏樹は1対1の競り合いでほぼ負けることがなく、予測をきかせたポジショニングも適切だった。

 後半からトライした3バックも、彼ら3人が揃っていたからこそ成立したと言える。吉田と冨安はコートジボワール戦にもフル出場し、ここでも「個」のバトルで互角以上に渡り合った。

 柴崎岳遠藤航のダブルボランチも頼りになる。

 コートジボワール戦では、彼らの優れた関係性を確認できた。マイボールの局面では遠藤が後方に、柴崎がより高い位置を取る役割分断がスムーズだった。柴崎はテンポよくボールをさばきながら「ズバッ!」と音のするようなスルーパスを狙い、遠藤も攻撃のスイッチを入れるタテパスは得意だから、このコンビは外せないと思わせる。

 シュツットガルトで高い評価を受ける遠藤は、最終ラインのサポート役としても存在感を発揮した。柴崎は右足のプレスキッカーでもあり、コートジボワール戦では植田直通の決勝ヘッドをアシストした。

 ボランチには橋本拳人がいる。ロストフで経験を積む27歳は、招集可能なタイミングでテストしたい。いずれにせよ、ボランチの序列では柴崎と遠藤がリードしていることがはっきりした。

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