■ヨーロッパ大陸にも日本代表の活動拠点を
このように、今回のような「新型コロナウイルス感染症の拡大」という非常事態の下だけでなく、日本代表における「海外組」の比率がこれだけ高くなってきていることを考えれば(今後も「海外組」はさらに増えていくことだろう)、平常時でもヨーロッパに活動拠点を置き、「海外組」に長距離移動の負担を強いないようにしながら代表の活動を行う方法を考えておくべきだ。
ヨーロッパ大陸における活動拠点。いわば、「夢フィールド」の“海外版”である。
「高円宮記念JFA夢フィールド」は千葉県の幕張市に設置された日本代表の活動拠点で、2020年にオープンし、A代表はまだ使用実績がないが、すでに年代別代表やフットサル日本代表の合宿などに使用されている。天然芝や人工芝のピッチのほか、屋内施設やクラブハウスなども備わった本格的な施設である。
もちろん、“海外版”としてJFAがそうした施設を建設するというのは非現実的なことだが、たとえば今回ユトレヒトでの合宿に使用した施設をJFAが今後も借り受けることができるのならば、いわば「ヴァーチャル的な“海外版”夢フィールド」と見なすことができるだろう。
毎回、活動を行う度に異なった施設を使用するより、特定の施設を常に使用する方がいいのは当然だ。スタッフや選手にとって使い勝手が分かっている施設なら、活動をより効率的に行うことができるし、施設に対して改善を促すこともできる(もちろん、費用はJFAが負担することになるが)。