エメリにとって、「競争に勝つこととは、自分の持っているものを最大限に絞り出し、相手が要求するものに最大限に対応すること」だそうだ。そして、ラ・リーガでの栄誉をクラブにもたらすことを、期待されていると聞かされると、「レアルマドリードやバルセロナがリーグにいることで、目標に到達するのは非常に難しく、それがゆえに複雑なリーグになっているのは事実です。でも、たまにレスターがいるのは事実なので、万が一レスターになった時のために常に準備をしておく必要があります」としている。
ここでエメリが引き合いに出したのは、15-16年シーズンのプレミアリーグで、岡崎慎司を擁して優勝したレスターFC。メガクラブではないにもかかわらず、奇跡の優勝を果たしたそのレスターになることを目論んでいるという。
そして話題は久保に移る。久保は現在、チームを離れてオランダ・ユトレヒトで日本代表の活動に専念している。カメルーン戦では終盤間際に強烈なフリーキックを蹴ったが、先発ではなかった。
エメリはまず、「久保はいい子だ」とその真面目さを褒めたうえで、「彼は、日本人選手として初めてトップレベルに到達するということを自覚しており、それを望んでいる人や、そのプロセスを加速させたいと思っている人がたくさんいる」と述べた。ただし、エメリに言わせれば、「成長過程のスピードアップは良くない。まずは適応すべきだ」としている。
「すべてのオプションとポジションで競争するために成長しなければならない。彼は3つのポジションでプレーでき、7番のポジションは彼にとって最も得意なポジションだが、そこには競争という壁がある。2列目中央では改善に努める必要があり、2列目の左では、もっと成長しなければならない。彼は、その過程にある」
久保の起用については、日本メディアばかりでなくスペインメディアからも多くの声が上がっているが、まずは、3つのポジションでの成長が必要だと考えているというのだ。
そしてエメリは、久保に対して”厳しい表現”で現状を続けて説明している。