■10月10日/J1第21節 FC東京―G大阪(味の素)
まさに水上の決戦と呼ぶべき試合だった。
台風の影響による豪雨で、味の素スタジアムには水面が多く発生した。水たまりにボールがハマるたびに、動きが止まる異例の試合に、G大阪の宮本恒靖監督は「通常我々がやりたいサッカーはもう割り切って」と指示。FC東京の長谷川健太監督も、「こういうピッチでも戦えるメンバーをそろえ」たという。
この日のFC東京は、FWディエゴ・オリヴェイラ、FWアダイウトン、FWレアンドロの前線に、MFアルトゥール・シルバとDFジョアン・オマリと、外国人選手を一挙5人起用。さらに、右サイドバックには守備に持ち味のあるDF中村帆高を先発とし、劣悪なコンディションで戦うことを目指した。
ただし、両チームで違ったことが2つあった。1つは、G大阪は「相手のディフェンスラインの背後に、ボールが止まるであろうというところ、ボックス内にボールを入れていくというところの徹底」(宮本監督)という、試合環境を考慮して完全な“放り込み作戦”をしたのに対し、長谷川監督は「パスをつなげるところはつないでという話を選手たちにはした」と、通常仕様に未練を残したことだった。