ただ、川崎はそれ以上のゴールを決めることができなかった。そればかりか、試合終盤に仙台にチャンスを作られ、FW長沢駿のヘディングシュートがポストを直撃したほか、FWアレクサンドロ・ゲデスが決定的なシュートを放つも枠外にそれるなど、際どいシーンが続いた。
決勝点を決めた小林は、素直に「正直、相手のミスに助けられた」と認め、「最後の残り10分をあれだけ攻め込まれた中で、守り切るのか、チームとして、どう時間を過ごすのか。そこの意思統一は甘かった」と課題を挙げた。
センターバックで出場した山村和也も、「少し後手に回ってしまった。チーム全体として前から行くのか、行かないのかをはっきりさせる」必要があったと認めた。仙台の猛攻に対し、川崎は薄氷の10分間を過ごしてしまった。
それでも、川崎は白星をつかみ、これで9連勝。しかも、シーズン内に2度目で、次節は自分たちのJリーグ記録である10連勝に挑むことになる。ルヴァンカップは敗退してしまい、3冠の夢は途絶えた。それを補う術はないが、今季リーグ戦で歴史に残る勝率で優勝して、その強さを誇示してみせる。