横浜FCのサッカーがとても楽しい。13年ぶりとなったJ1の舞台で、ビッグクラブを向こうに回し、堂々のパス・サッカーを披露している。いったい何が起こったのか。そのヒントは、プレミアリーグ関東で戦うユース年代の活躍にあった。
■斉藤光毅が成長できた恵まれた環境
トップチームとユースチームが、ともにそれぞれのカテゴリーでの最高峰リーグで健闘している2020年という年は、横浜FCというクラブにとっては画期的なシーズンとなりそうである。
トップチームではユース出身の斉藤光毅も活躍中だ。
一昨年、16歳でトップチームにデビューした斉藤は、昨年はJ2リーグで話題になった華麗なドリブルからのゴールを決めるなどJ1昇格に貢献し、またU-20ワールドカップ・ポーランド大会にも最年少で招集された。
トップチームにこうした存在がいることは、現在プレミアリーグでプレーしているユース年代の選手にとっても大きな刺激となるはずだ。また、DFの杉田をはじめ、現在3人の選手がU-16日本代表に名を連ねており、そういった意味でも横浜FCユースには勢いを感じさせる。
また、横浜FCのトップには三浦知良(カズ)や中村俊輔、松井大輔といった歴戦のベテラン選手が所属している。
若い選手たちも台頭しており、こうしたベテラン勢がピッチ上に送り出される機会は減っている。しかし、ユース年代の選手たちにとっては、身近にこうしたベテランのプレーを見て感じ取れることができるのは大きな意味を持つだろう。サッカーに取り組む姿勢もそうだし、ちょっとしたパスを出すタイミングの取り方など、彼らの技術と経験を盗んでいけばプレーのための大きなヒントを得られるはずだ。