「トップチームの監督にはあまり魅力が​…」

──國分伸太郎高橋大悟椿直起といった選手たちが、所属元でなぜ試合に絡めていなかったのかが不思議なぐらいです。

「それは、ウチに来て“ゲームに出ているから”だと思います。トレーニングだけでは伸びないし、トレーニングをして試合に出て伸びるというサイクルが実現すると、若い選手は成長が速い。何度も言うように今の選手は技術がしっかりしていますから、それをグループ戦術とかチーム戦術にハメ込んでいけば変わっていく、と感じます」

──そうは言っても、育てながら勝つのは簡単ではありません。

「もともと私は育成の指導者です。広島ユースの監督が指導者としてのスタートで、高校生は3年でこんなにも変わるんだということを肌で感じました。子どもは2時間の練習でこんなに変わるなら、大人はもっとたくさん練習ができるから変わるだろうということでサテライトの監督を夢見て、そこから福岡、大分と動いていくのですけどね」

──メディアが「J1昇格請負人」と評するように、小林監督と言えばトップチームの指導者というイメージが定着していますが。

「実は、トップチームの監督にはあまり魅力がなくて、2001年の大分でシーズン途中からやりましたけど、それもイヤイヤながらやったのです。3試合やったら3回勝ってしまったので、そのままやれと言われてやったのがスタートで……」

──そうなんですか。ちなみに北九州には外国籍選手がいません。近年ではJ2でも、外国籍選手を何人も揃えるチームがありますよね。

「日本人選手がうまいですからね。理解力も高い。強さでは外国籍選手が上回るとしても、強さが出る前にスピードで優ることができるし、細かいところをやるのは日本人選手のいいところだと思います。力強いプレーのできる助っ人に頼る時が来るのかもしれないですけれど、その前に組織を、ベースを作らないと、その人に頼って勝っても組織は崩壊する。組織より個人が優ってしまうと続かない。ですから、我々のように地域に根差した哲学のなかに必要な選手を入れていくほうが、チームを強くする近道だと思いますね」

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