■9月26日/J1第19節 浦和―横浜FC(埼スタ)
成長させてくれた浦和レッズに1000倍返しだ!
前節の川崎戦で、カズ、中村俊輔、松井大輔が揃い踏みして話題をさらった横浜FCは、今節、埼玉スタジアムに乗り込んだ。先発を8人代えたフレッシュな構成。前節に引き続いてスターティングメンバーとなったMF松尾佑介は、浦和の下部組織出身。浦和ユースから仙台大学を経て、横浜FC入りした。
その松尾が大活躍した。16分、GK西川周作のフィードをMF手塚康平がカットすると、左前方にいた松尾にパス。松尾はゆっくりゴール方向に進むと、浦和の選手4人に囲まれる。正面にはDF岩波拓也。シュートコースはほぼない状況だったが、その岩波を“壁“に使った。岩波と対峙したまま、自身の位置をずらすことなくシュート。松尾の右足によって完全にコントロールされたボールは、弧を描くようにしてゴール右下を突いた。西川は懸命に手を伸ばしたものの、指一本触れることができなかった。
岩波を抜くことなく、西川のブラインドに使っての技ありシュートは、この日、自身初めてのシュート。ジャンプをして手を突き上げる姿は、「本当に僕にとって夢の場所」と語る埼スタでの最高の瞬間だった。
松尾はさらに35分にも得点を挙げた。MFレアンドロ・ドミンゲスのスルーパスに反応して浦和のディフェンスラインの裏に完全に抜け出すと、GK西川と1対1。簡単なシチュエーションではなかったが、これも決めてみせた。埼スタに集まった6401人の浦和サポーターに、その存在を知らしめた。