まずは、開始40秒足らずでFWゲデスが高い位置でボールを奪い、そこからパスをつなぐとMFパラが左足クロス。これは相手に当たるものの、この日最初のコーナーキックを得る。1分40秒にも、FW西村が高い位置でボールを奪った。さらに3分50秒、左ウイングバックのパラも中盤でボールを奪って、コーナーキックにつなげた。開始4分ほどで、2度もコーナーキックを得たのは、前からのディフェンスがハマったからだ。
7分、ゲデスが開始40秒以来、再びボールを奪って右足シュート。そして10分、ゲデスがまたしてもボールを奪うと、右足シュート。距離は30メートルはあったが、これを決めて先制したのだ。
この先制点の奪い方は、仙台がチームとして用意してきたものだろう。この10分間でゲデスは3度も高い位置でボールを奪っているが、実は、3度とも同じ形で奪っている。横浜Mの低い位置でのつなぎは、サイドに出してから一度中に入れる。ゲデスの奪った3度はいずれも、中央へつなごうとしたものを奪っている。そのうち2度、ゲデスはシュートを放っているが、用意していたからこそ、攻撃へ転じたあとの行動がスムーズだった。
完敗だったFC東京戦から中2日で、仙台はしっかりと仕込むことができた。これは、相手が横浜Mという低い位置からつなぐチームだったからできた部分もある。さらに、高い位置でボールを奪うことで、前節の課題でもあったビルドアップの部分をカバーすることもできた。さすがに2日で攻撃を構築することは難しいが、高い位置で奪えばチャンスに直結する。シュートまでの手数も、少なくていい。高い位置で奪っても、すぐにシュートやクロスまで持っていけないと、なかなか最後までプレーすることは難しかったが、これこそ、先述した“カバー”されていた部分である。