新横浜駅周辺の雲は、今にも大粒の雨を落としそうにどよんでいた。もし、アウェイサポーターの来場が認められていたら、金色のユニフォームをまとったベガサポは、重い溜息をついていただろう。9月23日、18時頃のことである。
それも無理はない。9月20日、味の素スタジアムでFC東京を相手にした試合は、低調という言葉では済まないほど、厳しいものだった。今季初となる3バックで試合を開始する“変革”を見せたものの、特に前半は攻め手がなかった。守備も、チームとしてどこでどうするのかが見えなかった。映像で見直して驚いたのは、眼前で見た悲惨さが映像では半減していたからだ。
それからわずか中2日。何かをするのに、十分な時間とは思えなかった。しかし、日産スタジアムのピッチの上には、味の素スタジアムのピッチの上とはまったく異なる光景が広がった。
仙台のシステムは3-4-3。FC東京戦と同じだ。ただ、メンバーは違う。中盤は4枚すべて、さらにゴールキーパーまで代え、3日前の試合から9人もスタメンを入れ替えた。そして何よりも、戦い方がガラっと変わった。
試合開始直後から、仙台は“前へのディフェンス”を徹底した。パスをつなごうとする横浜Mのボールホルダーに対し、複数人が連携してパスコースを制限。そして、その制限されたコースでボールを次々と奪っていった。そして、高い位置だからこそ、攻撃に転じればシュートやクロス、コーナーキックへとつないだ。