■“1分”の練習時間で大きな差が!
新型コロナウイルスの感染拡大による中断によって、今シーズンのJリーグは超過密スケジュールとなっている。J2は5連戦が何度も繰り返されていく。
過密日程に耐え得るコンディション管理をしながら、ケガ人をできる限り抑える。フィジカルコーチの苦悩は尽きない。
──今シーズンは選手のコンディション管理が、いつも以上に難しいと思います。誰も経験したことのないスケジュールですから、手探りにならざるを得ないのでは?
「まさに経験したことがないのでどうやっていくか、というところはあります。私自身はゲームで走れているかどうかに着目していて、距離はもちろん強度が高い部分を出せているか、スプリントの回数はどうか、と。自分たちの分析に基づいた想定がありますので、その数字を維持できればいいわけです」
──うまくいかなかったこともありますか?
「数字を見ているとこれは良くないな、というのは何試合かありました。なぜそうなったのか、トレーニングが多過ぎたのか、少な過ぎたのか見直して、次の中3日ではこういう修正をしよう、といったサイクルですね。多過ぎたのなら、5分の練習を4分にするとか」
──たった1分でコンディションに違いが?
「選手たちが目一杯やってくれているので、違いはあります。本当に回復させたいなら5分やるものをまったく無くすとか。あくまでも予測になりますが“これをやったらうまくいくかもしれない”ということを毎回やっていきます。
台風でトレーニングが強制的に休みになってしまって、1日だけの準備で試合に臨んだこともあります。その時はうまくいったので、疲労がいよいよ溜まってきたら1日での準備はアリだなと。その代わりに1日で必要なことを消化できるように、トレーニングのメニューは考えなければいけない。次の日の試合前のウォーミングアップも、いつもとは少し変えてみたり、とか。いまのところは準備がうまくいっていることが多いので、引き続き微調整をしながら丁寧にやっていければいいと思います」