■明治、大正期の日本のスポーツ団体

 こうして始まったサッカーの全日本選手権大会は2020年度に第100回大会を数えることとなり、来年2021年には公益財団法人日本サッカー協会(JFA)は100周年を迎えることになる。

 日本には各競技を統括するためのスポーツ団体が数多く存在するが、1921年に設立されたサッカー協会は最古の団体の一つだ。

 近代オリンピックの創設者ピエール・ド・クーベルタン男爵は日本をオリンピック運動に参加させようと考えて、東京高師校長の嘉納治五郎に白羽の矢を立てた。国際オリンピック委員会(IOC)委員に就任した嘉納は1911年に大日本体育協会(日体協)を設立。日体協は1912年のストックホルム大会に選手を派遣するための予選会を開催した(短距離の三島彌彦とマラソンの金栗四三が選ばれて派遣された)。

 この予選会が、その後、陸上競技の日本選手権に発展するのだが、大会はその後も日体協の主催で開催されており、日体協から分離する形で全日本陸上競技連盟が発足するのは1925年になってからのことだった。

 日本が極東選手権大会に初めて本格的に参加した1917年の時点で存在したのは日本山岳会と日本ゴルフ協会だけであり、その後1920年に日本漕艇協会が、そして1921年に大日本蹴球協会が発足したのだ。

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