板倉滉「黄金の壁」独占インタビュー!(7)「移籍への葛藤と成功の確信」欧州へ導いた川崎、仙台での時間:前編の画像
仙台では、試合に出ることで多くを学んだ 写真:中地拓也
現在、オランダの1部リーグ、エールディビジでは4人の日本人選手がプレーしている。日本代表の板倉滉もフローニンゲンの一員として、ヨーロッパで3年目となるシーズンを迎える。日本代表の将来を担うと期待される逸材は、どんな思いでヨーロッパで戦い、新シーズンに臨んでいくのか。2020-21シーズン開始に向けてトレーニングを続ける板倉に話を聞いた。

■「川崎を離れていいのか、めちゃくちゃ悩んだ」

 板倉は昨季、フローニンゲンの主力としてヨーロッパでの1シーズンを戦い抜いた。だが、シーズン途中でチームに加わる形になった2019年1月からシーズン終了までは、出番がなかった。
 試合に出られない感覚、公式戦だからこそ得られるもの。その感触は、日本ですでに経験しているものだった。

――オランダに来た当初、試合に出られない時期は川崎フロンターレのトップチームに上がった頃よりきつかったですか。
「フロンターレで最初に出られなかった時、特にプロ1年目の頃は、周りがうますぎて“試合に出るのは無理だな”と思って、とにかく必死に周りの人についていこうという気持ちでやっていました。練習からすごく緊張感を持っていて、どうにか周りよりも劣らないように頑張らないと、と思ってやっていました。でも、そういう経験があって今、ここにいるという状況につながっているのかなと思います」

――その川崎を離れる葛藤はありましたか。
「小学校からフロンターレ一筋だったので、めちゃくちゃ考えましたし、ここで移籍していいのかという気持ちが強くありました。移籍を決めるまでは“いいんだろうか?”とめちゃくちゃ悩みましたが、今思えば移籍して良かったと思います。フロンターレ以外の景色を見るのは初めてで、最初はドキドキしました。フロンターレ以外のサッカーを知ることができたことも良かったと思います」

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