■バイエルンとフローニンゲンの類似点

――チーム戦術はどうみますか。
「バイエルンはあれだけ前からプレスにいって、それでも全体をコンパクトに保っている。もし自分がバイエルンのセンターバックに入っていたらと考えると、ネイマールや(キリアン・)ムバペというあれだけ速い選手がいるPSGに対して、あんなに高いラインを保つというのは難しいと思います。間延びせずにコンパクトに前から守備をして、なおかつネイマールに入った瞬間に後ろからつぶしにいっていたので、すごいなと感じましたね。

 その戦いぶりを見るのは、あくまでプロとしての眼である。その視線は、自分自身にも向けられている。

――フローニンゲンだと、どんな要求がありますか。
「フローニンゲンも、めちゃくちゃコンパクトにやるんですよ。守備でもガツガツ前からプレスにいくことをコンセプトでやっているので、バイエルンとフォーメーションは違いますが、似ているところはあるし、見ていてすごく勉強になり、面白かったですね。フローニンゲンもこうなろうとトライしているんだなというのが、よくわかります」

――プレーしていて「オランダらしいサッカーだな」と感じるものはありますか。
「オランダだからなのかはわかりませんが、ボールをつなごうとするチームが多いと感じますね。やはりオランダ全体のことはわかりませんが、フローニンゲンの今の(ダニー・バイス)監督は、今まで見てもらった監督の中で一番細かいんです。戦術的なことやポジショニングに対して、めちゃくちゃ細かく指示をします。オランダだからではなく、この監督だからなのかもしれませんが、その細かさには違いを感じましたね」

(プロフィール)
いたくら・こう 1997年1月27日、神奈川県生まれ。小学校4年生で、立ち上げられたU-12チームに1期生として加入して以降、トップチームまで川崎フロンターレ一筋で育った。2018年には、期限付きでベガルタ仙台へ移籍。2019年1月には、イングランドの世界的名門マンチェスター・シティへと電撃移籍。すぐにオランダのフローニンゲンへ期限付き移籍し、昨季は年間を通して主力としてプレー。U-18から年代別日本代表に選ばれ続けており、昨年6月にはフル代表でもデビュー。来年の東京オリンピックやワールドカップでも活躍が期待されている
 
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