■センターバックで急成長を遂げた22歳、古賀

 精度の高いパスワークの中で、意外な才能を発揮している若手がいる。22歳のセンターバック、古賀太陽だ。

 本来のポジションは左サイドバックだが、手薄になったセンターバックで展開能力の高さを見せている。

 G大阪戦では終盤、ハーフライン付近から前線の呉屋に球足の長いグラウンダーのスルーパスを通し、1対1の場面を演出。

 センターバックに慣れてきたのだろう。持ち前の激しい寄せに加えて、攻撃面での貢献も光る。

 ケガ人が続出する中でもチームが着実に仕上がってきたのは、ネルシーニョ監督のやりくり、育成力の賜物といってもいい。

 今季70歳になった名将は、厳格に約束事を守らせた上で、個々のキャラクターを発揮させる。その中で戸嶋、呉屋、仲間といった新戦力がフィットしてきた。

 ベストメンバーがそろわない中で、ネルシーニョは多くの選手にチャンスを与え、チーム全体を底上げした。

 マイナスの状況をやりくりしてプラスにするマネジメントの上手さは、監督業35年のベテランの成せる業。

 柏は伸びしろを秘めたチーム。充実の秋が待っているかもしれない。

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